デジタル科学への最後のステップ

大久保 公策 (国立遺伝学研究所 DDBJセンター センター長)



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科学の実践法はデジタル革命によって急速に変化しています。デジタル機器の進歩は多角的で詳細な自然現象のコピーとなるマッシブな多目的データを生み出しました。たとえば、(1)天文学におけるデジタルイメージング機器、(2)生命科学におけるマイクロアレイやシーケンサー、質量分析器、(3)地球科学におけるワイアレスセンシング、(4)気象学におけるシミュレーション計算機などのデジタル機器はマッシブなデータセットを生成します。これらのデータはアナログ時代のような「準備された質問への答え」ではなく、多くの科学者の観察を代行し、実験計画を助け、自由な理論形成やモデル化の材料として幾通りにも利用できます。この新しいカテゴリーの科学データをわが国では「基盤データ」と呼んで、生命科学では過去10年間、その生産に注力してきました。しかし基盤データが十分に活用できないという指摘があります。その理由を分析するとデジタル時代への移行には制度やマインドまでリセットしなければならないことがわかってきました。本シンポジウムでは著作権とデジタルクリエーション、科学知財保護とデジタル科学という同根問題に取り組む方々を集めてわが国の知性や創造性を高める方策を考えたいと思います。

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